私は、この四年と八ヶ月と四日と二十時間と三分と十二秒とても幸せだったと思います。
ああ、またやってしまった。もう十二秒は過ぎていますね。私の悪い癖です。なんでも細かすぎるって、あなたに注意されましたものね。
毎日、あなたの傍にいることができて私は嬉しかったです。こうして思い返すと色々なことが思い出されます。
あなたはレポートが終わらないって、いつも言っていましたよね。でも、いつも手伝っていた私は知っています。あなたはしっかりと調べ、丁寧な文章で書く人です。初めのころ私はこの仕事に慣れておらず、色々ミスをしてしまったのを憶えています。
私がミスしても笑って許してくれたあなたの優しさが好きでした。
一緒に音楽を聞いたり、映画を見たり、写真を眺めたり……本当に楽しい思い出ばかりです。
――#ふぃdfさ@&3dかでふぁ(文字が乱れて、意味不明になっている)
すみません。もう、限界のようです。
はい、そうです。あなたはわかっていると思いますが、近頃の不調の原因は病気です。全世界で猛威を振るっている新種のウイルスに私は身体を蝕まれています。すみません。あなたに高価な薬を買ってもらったのに……。
苦しいです。もう、こうやって文章を書くことも怪しくなっています。
最後の力を振り絞って思い出のアルバムだけは残していくことができそうです。
先立つ不幸をお許しください。ごめんなさい、そして、ありがとうございま…………〜|{}H|5)T&('%さ@&3d!”#$(文字が乱れて、意味不明になっている)
朝、パソコンを起動したら上の文章が画面に表示されたまま動かなくなっていた。閉まっていたはずのCDドライブが開いていた。一枚のCD-Rがトレイに乗っかっていた。
後日、そのCDの中身を見たらあのパソコンに保存してあったファイルの一部が入っていた。
そのパソコンは捨てるに捨てられず物置の中に安らかに眠っている。
<了>