今、何してる?







 突然、携帯電話が鳴った。僕は心臓が飛び出るほど驚いた。
 着メロで誰からの電話なのか見当がついている。
 僕はとりあえず無視した。しかし相手も辛抱強くコールしてきた。根競べに負け、仕方なく電話に出た。
「あ、ようやく出た」
 予想通りの相手だ。幼馴染だ。幼稚園、小学校、そして中学に至る今まで続いている腐れ縁だ。
「今、何してる?」
 と聞いてきた。僕はいつものように返そうとする。
「い――」
 明瞭な声が僕の声を掻き消す。
「息してるって言ったら撲殺するから」
 電話口の幼馴染は僕の答えを先回りして言った。それにしても撲殺とはまったく物騒なヤツだ。思わずドキリするじゃないか。
「い――」
「生きてるって言ったら絞殺するから」
「に――」
「人間してるって言ったら刺殺するから」
「…………」
「ふっふっふっ」
 電話の向こうから勝ち誇った幼馴染の声が聞こえる。
 この電話を隔てた向こう側の世界に僕はもう戻れない。遠い。遠すぎる。
 彼女の電話にはビックリした。でもその声はいつも通りで、本当に嬉しかった。
「今、好きな人と電話でじゃれあっている」
 言った。言ってしまった。
「え――!?」
 僕はすぐに電話を切った。そのまま電源も。ああ、まったくどうしてこうなったんだろう?
 僕の周りには死体がある。
 怒りに身を任せて腕で絞殺。もみ合ってついバットで撲殺。最後に包丁を持ち出して刺殺。
 計――三つ。妹、母、父。
 ――僕はさっきまで人を殺してたんだよ。
 僕は静かに泣いた。


<了>




2006/7/24 初版

・あとがき

 よくある子供っぽいやり取りに何か一捻り加えようとしたら、こうなりました。という作品。
 2年前くらい前に人が死ぬ話を書いたら、「人の死を道具に使っている。人の命を軽く扱っている。最低だ」という感想をいただきました。
 そのときは猛省したはずでした。でも結局物語で人が死んでいます。しかも結構安易に。
 結局、自分の物語中の命に対する考え方は変わらなかったということみたいです。自分の邪悪さが如実に表れた話でした。



感想を切実に求めています。よろしければ以下のメールフォームに記入をお願いします。
必須項目は点数です。「感想なんて書けないよー」と言う人がほとんどだと思うからです。
なので簡単な点数だけを記入してポチッ!! とクリックするだけでよい形にしました。
十段階評価で10が最高、1が最低となっています。
感想・意見を書く場合、名前とメールアドレス(最低でもメールアドレス)が記入されていると、こちらから返信することができるので、作者からのメールが欲しい奇特な方はどうぞ(笑)
実は必須とか、任意というのはのぼやが勝手に言っているだけで、空メールとかじゃんじゃん送れたりします。
やる人はいないと思いますが、一応言っておきます悪戯は止めてください。
無記名で点数を送ることができますが、連続して送らないでください。特に「1」点が連発すると作者が凹みます。


名前(任意):

メールアドレス(任意):

点数: 1 2  3 5 7 9 10

感想・意見(任意)


一覧に戻る。


SEO [PR]  冷え対策 再就職支援 わけあり商品 無料レンタルサーバー ブログ SEO